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産後ケアとして一般的なのが「骨盤矯正」。

自宅でも手軽に矯正ができるとして産後の骨盤ベルトが売られていたりもしますよね。

しかし、実は骨盤矯正の効果については専門家の間でも意見が分かれているんです。

骨盤矯正は本当に効果があるのか、調査してみました。

骨盤ってどういう構造?


骨盤は、骨盤帯と呼ばれる複数の骨と関節で形成されています。

この構造が柔軟であるために、人間は立って歩くことができると言っても過言ではありません。

骨盤は体重を支え、内臓を保護し、さまざまな動きを可能にする重要な部位です。

体を支える土台とも言える骨盤は、通常の生活を送っていれば歪んだり、開いたりすることはありません。

出産と骨盤の関係は?




ただし、妊娠、出産時においては骨盤が開くことがあります。

このときには、体内で「リラキシン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。

このホルモンによって、骨盤周辺の靭帯が柔らかくなり、出産時には赤ちゃんが産道を通りやすいように骨盤が広がるのです。

出産後、リラキシンの分泌量は減少し、骨盤周辺の靭帯も徐々に元の状態に戻ります。

そのため、骨盤が「開きっぱなし」という状態になることはほとんどありません。

実際に多くの女性は、産後に自然と骨盤が元の位置に戻っているのです。

骨盤矯正って何をするの?


骨盤矯正は、骨盤の位置を調整する手法。

多くの場合、手や専用の器具を使って施術が行われます。

その目的は、骨盤の「歪み」を解消し、体のバランスを整えることにあると言われているのですが、実際は骨盤が歪むことはありません。

また、医学的に「骨盤矯正」という用語も存在していないのです。

では、なぜこんなにも産後の骨盤矯正が一般的に行われているのでしょうか?

それは、妊娠出産により骨盤周りの筋肉量が減少したり、股関節の動きが低下するなど、骨盤周りの筋肉のバランスが崩れてしまったことにより、たるみや体型の変化を感じるから。

産後すぐに増えた体重が戻るわけではない上、筋肉が失われたことで代謝も悪くなり、痩せにくい体になっているので、その原因が「骨盤の歪み」であるように思い込んでいるだけなのです。

また、産後1ヶ月は運動もできませんし、家事や育児で追われる毎日では、消費カロリーも少なく運動不足はなかなか改善されませんよね。

産後の骨盤矯正は意味がない?


骨盤矯正に対する科学的な根拠はまだ不足しています。

「骨盤矯正が無意味」という証拠はない一方で、その有効性を証明する確固たる科学的根拠も存在していません。

そのため、矯正が必要かどうかは専門家の診断と個々の症状に依存する場合がほとんど。

一番重要なのは、個々の体調や症状に合ったケアを受けることです。


筋肉を柔らかく保つのは有効




産後は赤ちゃんを抱っこするために前傾姿勢が続いたりするため、腰回りの筋肉などが凝り固まっていることが考えられます。

そのため、骨盤に繋がっている筋肉が”コリ”となり、骨盤を引っ張って傾いてしまうことはあり得るそう。

凝り固まった筋肉をほぐすことで、筋肉の働きを正常に戻すことで消費カロリーが増加する可能性はあるため、筋肉を柔らかくもみほぐすために整骨院などに通うことは効果があると言えそうです。

運動が一番の産後ケアかも?




産後の体型をもとに戻すには、やはり適度な運動が一番。

その一環として骨盤矯正を利用し、育児で疲れた体と筋肉をほぐしてもらうのが正しい使い方かもしれませんね。

また、姿勢を意識したり30分に1回は立ち上がり簡単なストレッチをするなど、少しの心がけで改善されていくものかもしれません。

産後に骨盤矯正に通ったからといって、不調が全て改善されたり痩せるというわけではなく、あくまで体のバランスを整えるためのものという位置付けで考えておきましょう。

体型を戻すには、やっぱり日々の努力が一番!

忙しい毎日でも、少しずつ体力を戻して、産前のような体型を目指したいですね。

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