牛乳は健康に良いという理由で、日常的に飲んでいる方も多いと思いますが、「牛乳の糖質やカロリーは高いのか?」「太るのではないか?」といった疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。
特に健康やダイエットに関心のある方や、糖質制限をしている方にとって、牛乳の栄養素や糖質量は気になるポイントですよね。
この記事では、牛乳の糖質・カロリーに関する基本情報や、他の飲み物との比較、さらには糖質制限中の適切な摂取方法について詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
牛乳の糖質(カロリー)はどのくらい?
牛乳の糖質とカロリーの基本情報
牛乳1杯(200ml)あたりの糖質は約10g※1、カロリーは約138kcal※2です。
牛乳の糖質は99.8%が乳糖で、砂糖の約16%の甘さです。
一方、カロリーはエネルギーや熱量とも呼ばれ、体温の維持や生命活動に必要な栄養素です。
コップ1杯(200ml)の牛乳を摂取すると、1日の総エネルギー摂取量の約7.1%が補えます。
また、コップ2杯(400ml)の牛乳では、カルシウムは1日の食事摂取基準の推奨量の70%、ビタミンB2やB12は約50%を摂取することができます。※3
このように牛乳は栄養豊富ですが、カロリーの過剰摂取は体重増加につながるため、適量を心がけましょう。
牛乳200mlと400mlのカロリー、糖質並びに脂質は下記の通りです。
上記を参考に、自分のライフスタイルに合わせて摂取量を調整してみてくださいね。
※参照1/一般社団法人Jミルク|牛乳の炭水化物| findNew 牛乳乳製品の知識
※参照2/一般社団法人Jミルク|牛乳の栄養素密度|findNew 牛乳乳製品の知識
※参照3/一般社団法人Jミルク|牛乳の栄養と機能2023年度版|P1
牛乳は太りやすい?糖質とカロリーの摂取バランスに気をつけよう!
アメリカの疫学研究によると、牛乳を長期間摂取しても体重に大きな影響を与えないことが報告されています。※4
また、別の研究では、牛乳の摂取が腹囲やBMIの増加ではなく、むしろ減少させるということも報告されています。
毎日適量を摂取する分には太る心配は少ないのですが、飲みすぎるとカロリーオーバーとなる可能性があるため注意が必要です。
適切なタイミングと量を守り、健康的な体型を維持しましょう。
牛乳の適切な量については、次の章で詳しく説明していきます。
※参照4/一般社団法人Jミルク|ウワサ30 牛乳は太る
1日の牛乳摂取量の目安
「牛乳の飲みすぎには注意しましょう」とよく言われますが、適正な量がどのくらいなのか分かりにくいですよね。
牛乳の摂取は体重の増減には大きく影響しないとされていますが、過剰摂取すると栄養バランスが偏ってしまうこともあります。
そのため、1日の摂取量は200ml~多くても400ml程度に抑えるのが良いでしょう。
糖質やカロリーの摂取を控えたい方は、200ml程度の摂取で糖質やカロリーを抑えつつ、必要な栄養をしっかり摂取することができます。
他の飲み物と牛乳の糖質・カロリーを徹底比較!
牛乳以外にも、さまざまな乳製品や豆乳、オーツミルクなどの飲み物があります。
上記の表はこれらの飲み物と牛乳のカロリー及び糖質を比較したものです。
ここからは、それぞれの飲み物の糖質やカロリー、特徴を解説します。
低脂肪牛乳
低脂肪牛乳(200mlあたり)の糖質は約10.2g、カロリーは約87kcalです。
低脂肪牛乳はその名の通り、通常の牛乳よりもカロリーや脂質が少なめなので、カロリー摂取を控えたい方や、コレステロールの値が高く脂質を気にされる方におすすめです。
ただし、低脂肪牛乳は通常の牛乳に比べて糖質が高い傾向にあります。
そのため、糖質制限をしている方にはあまり適していません。
糖質が気になる方には、以下で紹介する豆乳やアーモンドミルクがおすすめです。
豆乳
無調整豆乳(200mlあたり)の糖質は約4g、カロリーは約106kcalで、牛乳よりもヘルシーです。※5
糖質が少ないため、糖質制限中の方にも適しています。
また、牛乳に含まれる乳糖が原因で乳糖不耐症を引き起こすことがありますが、豆乳には乳糖が含まれていないため、乳糖不耐症の方でも安心して飲むことができます。
豆乳は植物性脂肪を含み、大豆由来の植物性たんぱく質が豊富です。まろやかでくせが少ないため、多くの人に人気があります。
※参照5/キッコーマン 調製豆乳 _ キッコーマン株式会社
アーモンドミルク
アーモンドミルク(200mlあたり)の糖質は約0.88g、カロリーは約39kcal※6で、今回紹介する飲み物の中で最も低カロリーかつ低糖質です。
アーモンドミルクにはビタミンEが豊富に含まれており、抗酸化作用が期待できます。
また、食物繊維も豊富です。
※参照6/アーモンド効果 砂糖不使用 200ml _ 【公式】江崎グリコ(Glico)
オーツミルク
オーツミルク(200mlあたり)の糖質は約10gで、牛乳に近い数値ですが、カロリーは72kcalです。※7
カルシウムも豊富で、200mlで約288mgを摂取することができます。
オーツミルクはほんのりとした優しい甘さがあり、くせが少ないため、そのまま飲むのはもちろん、クッキーやケーキなどの料理にも使いやすいです。
※参照7/たっぷり食物繊維 オーツミルク オーツ麦の甘さだけ _ Alpro
糖質やカロリーが気になる方は代替ミルクを検討してみて
牛乳の糖質やカロリーが気になる方は、豆乳、アーモンドミルクなどの代替ミルクを試してみると良いでしょう。
これらの飲み物のメリット・デメリットを画像にまとめたのでよろしければ参考にしてください。
上記の画像のように、それぞれの飲み物ごとに特徴があるので、自分のライフスタイルに合ったものを選んでみてくださいね。
糖質制限中でも牛乳は飲んで大丈夫?
糖質制限中でも、適量の牛乳を飲む分には問題ありません。
むしろ、ミネラルやビタミン、たんぱく質などを含んでおり、コップ1杯の牛乳で栄養をバランスよく供給できます。
しかし、飲みすぎると糖質の過剰摂取に繋がることがあるので、1日に200ml程度に抑えましょう。
糖尿病の人でも牛乳は飲んで良い?
糖尿病の方でも、少量であれば牛乳を飲むことは許容されていますが、糖質が含まれているため、摂取量には注意が必要です。
医師と相談しながら、1日の糖質摂取量に合わせて牛乳を取り入れると安全です。
糖質やカロリーが気になる時、牛乳を飲む最適なタイミングとは
糖質やカロリーが気になる時は朝に飲むのがおすすめです。
朝に牛乳を飲むことで、必要な栄養を効率的に摂取でき、体がエネルギーを必要とする時間帯にカロリーを消費しやすくなります。
朝食と一緒にコップ1杯の牛乳を摂ることで、1日の始まりに必要な栄養をしっかりと補給できます。
牛乳に含まれる代表的な栄養素と健康効果
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上記の通り、牛乳は多くの栄養素をバランスよく含み、体の成長や健康維持に役立ちます。
以下からは、牛乳に含まれる代表的な栄養素とその健康効果について詳しく解説します。
良質なたんぱく質
牛乳は良質な乳たんぱく質を豊富に含んでいます。
乳たんぱく質は、体の骨格や筋肉、内臓、皮膚、毛髪、血管などを作る材料となり、体の機能を調節し、免疫力の向上にも役立つ栄養素です。
また、アミノ酸バランスに優れていて消化が良く、利用効率が高いという特徴もあります。
そして、牛乳にはこの乳たんぱく質が「カゼイン=約80%」、「ホエイたんぱく質=約20%が」の比率で含まれており、それぞれが異なる働きで体の健康をサポートします。
- カゼイン: ゆっくり時間をかけて完全に吸収され、栄養を長く供給する。
- ホエイたんぱく質: すばやく吸収され、体内でたんぱく質の合成を促進し、免疫力の向上や腸内環境の改善など、多彩な機能を発揮。
これらの乳たんぱく質の働きにより、牛乳の栄養が効率よく吸収・利用されやすくなっています。※8
※参照8/一般社団法人Jミルク|牛乳の栄養と機能2023年度版|P4~5
エネルギー代謝をサポートするビタミンB群
牛乳はほとんどのビタミンを含んでおり、特にビタミンB群と呼ばれる8種類のビタミン(B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン)をすべて含んでいます。
ビタミンB群はエネルギー代謝を助け、体内の疲労回復をサポートします。
今回は、特に牛乳に豊富に含まれるビタミンB2、B12について紹介します。
ビタミンB2
牛乳1杯(200ml)で、小学生の1日あたりの推奨量の約20%を補給できます。※9
ビタミンB2は、タンパク質の合成に関与し、体の成長をサポートする重要なビタミンです。肌や毛髪、爪などの健康にも影響を与え、不足すると肌荒れや口角炎が起こることもあります。
成長期の子どもや女性にとって特に大切な「成長ビタミン」「美容ビタミン」とも呼ばれています。
※参照9/一般社団法人Jミルク|牛乳の栄養と機能2023年度版|P13
ビタミンB12
牛乳1杯(200ml)で、小中学生の1日あたりの推奨量の25~50%を補うことができます。※10
ビタミンB12は、赤血球の生成や神経細胞の機能維持に重要な役割を果たし、末梢神経や中枢神経にも関与しています。
ビタミンB12が不足すると、記憶力や精神のバランスが乱れることも報告されています。
※参照10/一般社団法人Jミルク|牛乳の栄養と機能2023年度版|P13
骨を丈夫にするカルシウム
牛乳1杯(200ml)には227mgのカルシウムが含まれています。
カルシウムは、歯や骨の形成作用があり、特に成長期の子供や骨密度が低下しやすい高齢者にとって大切な栄養素です。
カルシウムは吸収率が低いため、毎日の食事から十分に摂取する必要がありますが、牛乳は他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高いのが特徴です。
その理由は以下の通りです。
- カゼイン: 乳たんぱく質であるカゼインが、カルシウムと結びついてカゼインミセルを形成し、安定的に保持され、カルシウムの吸収を助けます。
- 乳糖: 乳糖はプレバイオティクスとして腸内環境を改善し、カルシウムの吸収を促進します。
- 吸収阻害物質が少ない: 牛乳には、カルシウムの吸収を妨げるシュウ酸やフィチン酸などの物質がほとんど含まれていないため、吸収率が高くなっています。※11
腸内環境を整える乳糖
牛乳の炭水化物のほとんどは乳糖であり、砂糖の約5分の1程度の甘さです。
乳糖は小腸で分解されて吸収され、エネルギー源として利用されますが、分解されなかった乳糖は腸内細菌の餌になります。
腸内細菌が乳糖を分解して生成する乳酸や酢酸により、腸内が適度に酸性化し、有害菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える効果があります。※12
また、そのほかにもカルシウムの吸収を高める働きもあります。
※参照12/一般社団法人Jミルク|牛乳の栄養と機能2023年度版|P8
牛乳に関する疑問解消Q&A
Q1.牛乳を飲むとお腹を下すのは何故?
A.牛乳を飲んだ後に腹部膨満感や腹痛、下痢などの不快症状が現れる場合、「乳糖不耐症」の可能性があります。
乳糖不耐症はアレルギーや病気ではなく、腸内細菌による乳糖の分解過程で発生するガスや、乳糖の浸透圧効果で大腸に水分が増えることが原因とされています。
近年、少量の牛乳を徐々に増やして飲むことで、腸内細菌のバランスが改善され、乳糖不耐症が改善されるという臨床試験の結果が報告されています。※13
※参照13/一般社団法人Jミルク|牛乳の栄養と機能2023年度版|P9
Q2.カルシウムを効率よく摂取するための牛乳の飲み方は?
A.カルシウムは、ビタミンDを含む食品と一緒に摂取することで吸収率が向上します。
ビタミンDには、腸管からのカルシウム吸収を助ける働きがあります。※14
牛乳には多くのビタミンが含まれていますが、脂溶性ビタミンであるビタミンDやEの含有量は少ないのが特徴です。
そのため、ビタミンDを多く含むきのこや鮭と一緒に摂取すると、さらに効果的です。
また、ビタミンDを摂取した後は、適度に日光に当たりましょう。
紫外線を浴びることで、ビタミンDが体内で活性化され、カルシウムの吸収が促進されます。※15
※参照14/カルシウム&ビタミンD 相互のちから|森永製菓
※参照15/カルシウムの吸収を高めるためにはどうしたらよいでしょうか? _ 乳と乳製品のQ&A _ 一般社団法人日本乳業協会
Q3.ダイエット中に牛乳を取り入れるメリットはある?
A.牛乳には肌の材料であるタンパク質の代謝を高めるビタミンB2や肌の乾燥を防ぐ作用のあるビタミンAが含まれており、ダイエット中の肌の健康維持に役立ちます。※16
ダイエット中は栄養が偏りやすく、肌などの新陳代謝に必要な栄養をバランス良く摂る事が難しくなりがちです。
そこで牛乳を取り入れることによって、良質なタンパク質やカルシウム、ビタミンAやB2などの不足しがちな栄養素を補うことができます。
※参照16/美人は日々つくられる|一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)
まとめ
牛乳には糖質やカロリーが含まれていますが、適量を守ることで健康的に取り入れることができます。
栄養価の高い牛乳は、他の飲み物と比較しても骨を強くし、筋肉の修復を助けるなど、多くの健康効果をもたらします。
さらに、牛乳を飲むタイミングを工夫することで、ダイエットや健康維持に役立てることもできます。
自分の体調やライフスタイルに合わせた飲み方を選び、無理なく栄養を取り入れましょう。
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