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OniGO通信

ブロッコリーは栄養が豊富で健康に良い野菜として知られていますが、調理方法によっては栄養が失われてしまうこともあります。

そこでこの記事では、
ブロッコリーに含まれる栄養素
栄養を無駄にしない調理方法
効率よく栄養を摂取できるレシピ
をご紹介します。

目次

1. ブロッコリーの栄養に着目!他の野菜との比較で見えてくる魅力

2. ブロッコリーに含まれる注目の栄養素5選

カリウム

ビタミンC

タンパク質

ビタミンK

食物繊維


3. 意外と知られていない!ブロッコリースプラウトの健康効果とその注目成分

4. ブロッコリーの栄養を逃さずおいしく食べる5つのコツ

洗う時間は短めに

大きさを揃えて切る

電子レンジで加熱する

蒸して調理する

油といっしょに調理する


5. ブロッコリーの栄養をしっかり摂れる簡単レシピ3選

ブロッコリーとツナのサラダ

ブロッコリーとベーコンのにんにく炒め

ブロッコリーと納豆の味噌マヨ和え


6. おわりに

ブロッコリーの栄養に着目!他の野菜との比較で見えてくる魅力


ブロッコリーを、日常的に食べる野菜と比較するとその優れた栄養価が一層際立ちます。

以下の表にて、100gあたりの栄養素を比較してみましょう。

食品の栄養価は「文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より引用しています。


ブロッコリーと他の野菜との栄養素を比較(100gあたり)



ビタミンCの含有量を比較
まず、ビタミンCに注目すると、ブロッコリーには140mg(100gあたり)含まれており、これはレタスの約28倍、トマトの約9倍の量です。

ビタミンCが豊富なイメージのあるレモン(100gあたり100mg)と比べても、ブロッコリーは約1.4倍も多くのビタミンCを含んでいます。


タンパク質の含有量を比較
次に、タンパク質に目を向けると、ブロッコリーには5.4g(100gあたり)含まれており、レタスの約9倍大根の約11倍と非常に高い含有量です。

納豆1パック(45g)に含まれるタンパク質が7.4gであることを考えると、ブロッコリーも納豆と同様、植物性タンパク質が豊富な食品と言えるでしょう。


その他栄養成分含有量を比較
また、カリウムは他の野菜に比べ約2倍食物繊維は約5倍も多く含まれており、健康維持に重要な役割を果たします。

さらに、ビタミンKはトマトの約52倍、レタスの約7倍もの含有量を誇ります。

こうして見てみると、ブロッコリーは多くの栄養素を豊富に含み、健康をサポートする力強い野菜であることがわかります。


ブロッコリーに含まれる注目の栄養素5選


ここからは、ブロッコリーに含まれる栄養素の中でも、特に健康維持に役立つものを5つピックアップしてご紹介します。


カリウム

カリウムは、体内の塩分バランスを整え、余分なナトリウムを排出する働きがあるため、塩分過多によるむくみを予防する効果が期待できます。

ナトリウムが体内に過剰に蓄積されると、血管内の水分量が増え、血圧が上昇する原因となりますが、カリウムを摂取することでナトリウムの排出が促進され、血圧の上昇を抑えることができます。

ブロッコリーに豊富に含まれるカリウムを摂取することで、高血圧予防につながり、健康的な体づくりをサポートします。※1 ※2

※参照1/ 厚生労働省|e-ヘルスネット カリウム

※参照2/ 厚生労働省|e-ヘルスネット 栄養・食生活と高血圧


ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの生成を助けることで、肌や髪の健康維持に貢献し、傷の治癒を促進します。

強力な抗酸化作用を持ち、体内に侵入した有害な活性酸素から細胞を保護することで、老化や生活習慣病の原因となる酸化ストレスから体を守ってくれるのです。※3 ※4

※参照3/ 厚生労働省|「統合医療」に係る 情報発信等推進事業 ビタミンC

※参照4/ 独立行政法人国立健康・栄養研究所|研究紹介:糖尿病でビタミンCがなぜ足らなくなる?


タンパク質

タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚などの体の主要な構成成分であり、ホルモンや抗体といった体の機能を維持する物質の材料としても欠かせません。

そのため、十分なタンパク質を摂取することで、筋肉の維持や成長を促進したり、免疫機能を強化したりし、健康な体を保つための基盤を整えてくれます。

特に、運動後の筋肉の修復や、代謝をサポートするために必要不可欠な栄養素です。

しかし、過剰摂取は肝臓や腎臓に負担をかけ、体調不良を引き起こす可能性があるため、1日の摂取量(成人男性65g、成人女性50g程度)を守ることが重要です。※5 ※6

※参照5/ 厚生労働省|e-ヘルスネット たんぱく質

※参照6/ 厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版) タンパク質 p.106~126


ビタミンK

ビタミンKは、出血を止める働きがあるだけでなく、骨にカルシウムを定着させて骨を丈夫にする役割も担っています。

さらに、血管の健康維持にも貢献し、動脈硬化の予防にも繋がることが期待できます。※7

※参照7/ 厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版) ビタミンK p.192


食物繊維

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、ブロッコリーの場合、100gあたり含まれる食物繊維(5.1g)の約8割(4.3g)が不溶性食物繊維です。※8

不溶性食物繊維は、腸内を刺激して便通を促し、便秘解消に役立ちます。

また、食物繊維には脂質や糖質を吸着して体外へ排出する働きがあるため、これらの栄養素の過剰摂取を防ぎ、肥満や糖尿病などの生活習慣病予防に役立ちます。※9 ※10

※参照8/ 文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 ブロッコリー(花序・生)より

※参照9/ 厚生労働省|e-ヘルスネット 便秘と食習慣

※参照10/ 厚生労働省|e-ヘルスネット 食物繊維


意外と知られていない!ブロッコリースプラウトの健康効果とその注目成分


ブロッコリーの栄養素に続いて注目したいのが「ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの芽)」の栄養です。

ブロッコリースプラウトには、健康をサポートする成分が豊富に含まれています。

特に注目したいのは「スルフォラファン」という成分です。

ジョンズホプキンス大学の研究※11によると、スルフォラファンが体内の解毒酵素を活性化し、がん細胞の抑制に役立つ可能性があることが明らかにされています。

発芽3日目のブロッコリースプラウトは、スルフォラファンの含有量が最も高く、成熟したブロッコリーと比べてもその含有量はなんと約10倍以上。

そのため、少量でも効率的に栄養を摂取でき、体の免疫力をサポートする食品として注目されているのです。

ブロッコリースプラウトは、サイズも小さく、そのままでも食べやすいため、サラダやスムージーに簡単に加えられるのが特徴です。

忙しい日々でも手軽に栄養をプラスできる点が魅力ですね。

※参照11/ Jed W. Fahey・Yuesheng Zhang・Paul Talalay.September16,1997
Broccoli sprouts: An exceptionally rich source of inducers of enzymes that protect against chemical carcinogens.
Proceedings of the National Academy of Sciences. 94(19)10367-10372


ブロッコリーの栄養を逃さずおいしく食べる5つのコツ


ブロッコリーは栄養バランスの良い野菜ですが、調理方法によっては栄養が損なわれてしまうこともあります。

せっかくなら、しっかりと栄養を摂取したいですよね。

ここでは、ブロッコリーの栄養を逃さず、おいしく食べるためのコツを5つご紹介していきます。


洗う時間は短めに


ブロッコリーにはビタミンCなどの水溶性ビタミンがたっぷり。

水に長時間さらすと、これらの栄養素が流れ出てしまうため、洗う際はできるだけ短時間で済ませると良いでしょう。※12

ポリ袋洗いのすすめ
ポリ袋に1/3程度の水を入れ、その中にブロッコリーを入れて少し強めに振ったり、つぼみの部分を揉み洗いすることで、短時間で汚れを効率良く落とすことができます。

これなら、流水で洗うよりもつぼみの間の汚れをしっかり落とせる上に、ボウルも使わないので後片付けも簡単です。

※参照12/ 厚生労働省|「統合医療」に係る 情報発信等推進事業 ビタミンC


大きさを揃えて切る


ブロッコリーを切る際に大きさを揃えることは、均一に火を通すために重要です。

火が均等に通ると、過剰な加熱を防ぎ、熱に弱い栄養素(ビタミンC、カリウム、ビタミンB群など)の損失を最小限に抑えることができます。

逆に、大きさがバラバラだと、火の通り具合に差が生じ、一部が過剰に加熱されて栄養素が壊れやすくなるため、結果として栄養の損失が大きくなる可能性があります。※13 ※14

※参照13/ 独立行政法人国立健康・栄養研究所|ビタミンについて

※参照14/ 農林水産省|無駄なく、野菜と果物を食べましょう p.6


電子レンジで加熱する


電子レンジは、短時間で調理できるだけでなく、栄養素を守るのにも適した方法です。

以下の表は、ゆでた場合と電子レンジ調理した場合の栄養素を比較したものです。※15
(特に、変動が大きい栄養素に焦点をあてています。)


調理法による栄養成分比較(100gあたり)

調理法による栄養成分比較
栄養成分 電子レンジ調理 ゆで
カリウム (mg) 360 320 280
ビタミンC (mg) 120 80 54
葉酸 (μg) 210 150 120
タンパク質 (g) 4.3 3.8 3.5

表からもわかるように、ブロッコリーは茹でるよりも電子レンジ調理したほうが、栄養素の保持率が高い傾向にあります。※16

特にビタミンCでは、茹でると半分以下に減少してしまうことが確認できます。

つまり、長時間水にさらすことで、水溶性のビタミンCやカリウム、葉酸などが流れ出し、大幅に減少してしまうのです。

さらに、高温での加熱は栄養素を分解しやすく、特にビタミンCは熱に非常に弱いため、加熱時間が短くても損なわれやすくなります。

これらの理由から、電子レンジでの調理が栄養をより効果的に保持できる調理方法と言えるでしょう。

※参照15/ 文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 ブロッコリー(花序・生)(花序・電子レンジ調理)(花序・ゆで)より

※参照16/ 東京都保健医療局|食品安全FAQ


蒸して調理する


蒸し調理も、電子レンジ同様ブロッコリーの栄養を逃しにくい調理法のひとつです。

どちらの調理法も、食材を水に浸さず調理できるため、栄養素が水に溶け出すのを防ぎます。

また、蒸し調理は、茹で調理に比べ低温で調理できるので、熱による栄養素の分解も抑えられるというわけです。

フライパンで簡単に蒸す方法
蒸し器がない場合でも、フライパンひとつで簡単に蒸し料理が楽しめます。

フライパンにブロッコリーを並べ、少量の水と塩を加えて蓋をし、弱火で3分程度蒸すだけで、ふっくら美味しく蒸しあがります。

フライパンを使用することにより、湯を沸かす手間を省き、栄養も保持しやすいため、調理時間の短縮と栄養維持を両立できるのも魅力ですね。


油といっしょに調理する


ブロッコリーに含まれる脂溶性ビタミン(ビタミンKなど)は、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。※17

オリーブオイルやごま油など、健康的な油を使ってサッと炒めたり、ドレッシングとして活用すると、栄養を効率的に取り入れることができます。

ただし、長時間の加熱調理はビタミンCやカリウムなどの損失につながるため、軽く炒める程度に抑えることが重要です。

※参照17/ 厚生労働省|e-ヘルスネット 緑黄色野菜


ブロッコリーの栄養をしっかり摂れる簡単レシピ3選


忙しい日でも手軽に栄養を摂れるブロッコリーの時短レシピをご紹介します。

簡単に作れる上に、ブロッコリーの栄養も余すことなく摂取できます。

是非、毎日の食事に取り入れてみてください。


ブロッコリーとツナのサラダ

材料(2人分)

カロリー  242kcal(1人あたり)

ブロッコリー 200g
ツナ缶(油漬) 1缶
水 小さじ1  
☆マヨネーズ 大さじ2
☆酢 小さじ1
☆塩・こしょう 適量

作り方

①ブロッコリーを食べやすい大きさに切り、ボウルに入れたら、水を小さじ1加え、ラップをして電子レンジ(600W)で2分程度加熱する。
②ボウルにツナと☆を入れて混ぜ合わせる。
③温かいブロッコリーと②を和えたら完成。

ツナとマヨネーズに含まれる油分が、ブロッコリーのビタミンKやβ-カロテンの吸収を促進します。

また、ブロッコリー、ツナ、マヨネーズにはタンパク質が豊富に含まれ、筋肉維持や代謝向上に役立つ一品です。


ブロッコリーとベーコンのにんにく炒め

材料(2人分)

カロリー  239kcal(1人あたり)

ブロッコリー 200g
ベーコン 150g
水 大さじ2
塩 少々
☆にんにくチューブ(1㎝程度)
☆オリーブオイル 大さじ1
☆塩・こしょう 適量

作り方

①一口大に切ったブロッコリーをフライパンに並べ、水と塩を入れたら蓋をして3分程蒸す。
②ブロッコリーに火が通ったら、一度フライパンから取り出す。
③同じフライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくとベーコンを炒める。
③ベーコンの表面がカリッとしたら、ブロッコリーを加えて軽く炒め、塩・こしょうで味を調える。

ブロッコリーを蒸すことで、栄養素の流出を最小限に抑えられ、鮮やかな緑色も維持できます。

茹で調理に比べて、色のくすみを防げるのが特徴です。

さらに、ブロッコリーは茹でると水分を吸収してベチャッとした食感になりがちですが、蒸し調理ならシャキッとした食感を保ちながら、程よく水分も残すことができます。

また、にんにくとブロッコリーは抗酸化作用が高く、活性酸素を除去して老化や生活習慣病の予防にも期待できます。※18

フライパンひとつで「蒸す」と「焼く」ができるので、洗い物が減り、忙しい毎日でも手軽に調理できておすすめです。

※参照18/ 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所|野菜の機能性研究の現状と今後の研究課題


ブロッコリーと納豆の味噌マヨ和え

材料(2人分)

カロリー  194kcal(1人あたり)

ブロッコリー 200g
納豆1パック(45g)
水 小さじ1
☆味噌 大さじ1
☆マヨネーズ 大さじ2
☆すりごま 適量(お好みで)

作り方

①ブロッコリーを食べやすい大きさに切り、ボウルに入れたら、水を小さじ1加え、ラップをして電子レンジ(600W)で2分程度加熱する。
②その間に、納豆と☆を混ぜ合わせておく。
③加熱したブロッコリーに②をかければ完成。

電子レンジ調理により、ブロッコリーに含まれるカリウムやビタミンCを無駄なく摂取できます。

納豆と合わせることで、発酵食品の栄養素も加わり、腸内環境の改善にも期待できるでしょう。

おわりに


ブロッコリーは、豊富な栄養素を持つ野菜で、適切な調理法を選ぶことで、その栄養をしっかり摂取できます。

洗う際の工夫や電子レンジでの加熱、油と一緒に調理することで、栄養を逃さずに取り入れることができるのです。

これらのコツを活かし、日々の食事にブロッコリーを上手に取り入れてみてくださいね。